この工事は文化財保存管理業者様から塗装工事の依頼を受けて施工させていただくことになりました。
再利用する部材「島木」「貫」などは過去に塗られた塗装を除去する工程から着手です。
3回以上の塗装歴があり、塗膜が分厚くなっていました。
弊社の塗膜除去は「剥離剤」などの薬品は一切使用しません。
吸塵装置付きの電動工具で塗膜を除去していきます。
研磨には膨大な労力がかかりましたが、キレイに塗膜除去が完了しました。
50年以上前の材木が、更にこの先数十年「鳥居」に使われるのです。
改めて木の耐久性を実感します。
いつまでも美しい「赤」が持続することが期待できます。
弊社では、塗料メーカー:大阪ガスケミカル(株)様と意見交換しながら、ベストな塗装仕様を組むことが
できました。
「塗装」は材木が加工された状態(鳥居を組む前の状態)で行います。
赤を鮮やかに発色させるため「白」を2回塗りしてキレイな下塗層を作ります。
十分に乾燥させてから「赤」の塗装です。
いかなる塗装においても「赤」「黄」などの原色塗装は難しいものです。
キシラデコールコンゾランにおいても同じです。
現在の塗装では「ローラー」を使用しますが、「厚塗厳禁」です。
塗料は原液(希釈なし)で、できるだけ薄く3回塗り重ねます。
再利用する「島木」「貫」の塗装も完了しました。
塗装された部材は、現地で宮大工さんによって組み立てられます。
組み立てられた状態で「赤の4回目=最終仕上」を塗ります。
キシラデコールコンゾランはピカピカしない「3分ツヤ」です。
趣のある上品な雰囲気に仕上がります。
完成した鳥居です。