「基本的に現況と同じ塗装で」というご依頼でしたが、「軒先板金:破風と雨樋」を「白」にご提案させていただいたところ、こちらのご提案のように変えることになりました。
これだけで雰囲気がガラッと変わりました!
塗装前の屋根はこちらの写真
長い期間の紫外線や雨、雪の影響で表面の塗料が粉化し、南面は板金素地が見えている状態でした。
ハゼを起こし隙間を広げ、確実に研磨と塗装ができる形状にします。
ハゼを広げるとハゼ奥には、長年の間に堆積した「土埃」が確認できます。
研磨器具メーカーに特注依頼したハゼ専用ブラシで土埃を除去していきます。
下の説明を見れば、ハゼ起こしの必要性が理解できると思います。
ハゼの処理(ハゼ起こし、堆積物除去)が完了してから洗浄に移ります。
高圧水洗浄で粉化した残存塗膜を除去しました。
屋根に対して垂直に近い角度で水圧を生かした洗浄をします。
洗浄後、十分に乾燥させてから「塗装」に移ります。
ガルバリウム鋼板素地に相性の良い「2液エポキシ樹脂錆止め」を下塗りします。
下塗りが完了したら付着力を確認します。
10㎝幅の強力ガムテープを屋根に貼り付け、一気に剥がして下塗りの付着を確認します。
結果:ハガレなし 付着良好を確認して次工程に移ります。
中塗り:2液シリコン樹脂塗料
中塗乾燥後にも付着力の確認です。
ハガレなし 付着良好を確認しました。
十分に乾燥してから後付雪止めを取り付けました。
「たて水=垂直の鼻隠し」は雨樋が外側に出るために雪の影響を受けやすい弱点があります。雪の影響があった部分には固定金具を追加して補強を行いました。
今回は、破風と鼻隠し、雨樋をホワイトに仕上げていきます。
雨樋は内側も塗装します。
受け金物に発生していた錆には、部分的に錆反応型錆止め(白色)を塗装しました。
錆反応型錆止めは錆を安定した状態に転換して広がりを抑える錆止めです。
「強力防カビ性の2液シリコン塗料」を採用しています。
ミニローラーで2回塗りします。
ここからは外壁塗装です。
施工前に改善すべき点のチェックです。
外壁の高圧洗浄
カビの根を残さぬように慎重に洗浄していきます。
外壁に仕様する洗浄ガンは手元で水圧が調整できる構造になっています。
洗浄完了後に目地シーリングを撤去します。
塗装を先に行う「後打ちシーリング」でシーリング工事を行います。
外壁塗装の前に大きな問題がありました。
1階屋根上の外壁に「ひどい凍害」が発生していました。
ここで大事なことは「屋根の水を吸い上げないようにする」ことです。
外壁が欠損してしまった部分をセメント系補修材で修復します。
その際、屋根との間には隙間を設けてハゼの水を吸い上げずに水下で排水できるように「水の通り道」を作ります。
ひどく水を吸った外壁は劣化しているので「雨押え板金」を取り付けて雨水に触れないように保護します。
さて、ここからが外壁塗装です。
透明の下塗材(カチオンシーラー)で下塗りし、外壁と塗料がしっかり密着するように下地を作ります。
次に仕上塗料:撥水性つや消し防カビ塗料を塗装していきます。
釘頭をパテ処理した部分には先に「増し塗り」して補強しています。
1回目塗りは厚み重視、2回目は仕上肌重視で塗装します。
腰見切りとその上部の軽微な凍害の処理です。
幕板の塗装ハガレはケレンで剥がれるところはすべて剥がしてからセメントで凸凹になっている部分を平らにしていきます。
つなぎ目部分のシーリングは劣化しているので既存を撤去して新しく「打ち直し」しました。
先に指摘した浴室窓下の軽微な凍害ですが、伝水防止水切りをつけて幕板上部に水が溜まらないように改善しました。
塗装完了後に目地のシーリングを打ち直ししました。
雨押え板金上部にもシーリングを施工して「目地と一体の防水処理」をしました。
完全つや消しなので新築のような美しさに仕上がりました。
外壁塗装はピカピカになると思っていませんか?
「つや消し」は表面温度が上がらないので熱劣化が抑えられて長期耐久することが実証され始めています。