私が若い頃からお世話になっているお客様の邸宅です。
豪雪地帯ゆえに7〜8年周期で屋根塗装させていただいております。
屋根は地上から見上げた限り、キレイですが上がってみると雪による傷みが目立つ状態です。
今回は正面の木部塗装のご依頼もいただきました。
施工前の状態です。
蔵の屋根塗装です。
屋根塗装の基本はハゼ起こしです。
ハゼを起こして、ハゼに水が溜まりにくい形状に整えていきます。
ハゼの中に堆積しているコケや土埃など専用工具を使用して奥までキレイに掻き出します
ブラシは板金素地を傷つけない特殊なブラシを使用しています。
屋根の平場部分は、塗料の付着をよくするため「目粗し処理」します。
高圧洗浄
屋根に対して垂直の角度で、水圧を生かした洗浄をします。
ここから塗装の工程です。
過去の塗装(弊社が施工)で錆止め層が形成されているので「傷み」が激しい「ハゼ=合わせ目」だけを錆止め処理しました。
ハケを使用し、奥までしっかり塗装しました。
上塗り:屋根用2液シリコン樹脂塗料
過去に使用した塗料と同じ塗料を使用することで塗膜をの一体化を図っています。
屋根塗装完了
母屋の屋根 施工前
瓦棒は1本ずつハンドブラシで目粗ししていきます。
平場は専用の電動工具を使用し目粗しします。
板金素地を傷つけない特殊なブラシを使用しています。
高圧洗浄
屋根に対して垂直の角度で、水圧を生かした洗浄をします。
この部分は一部葺き替えしていて、一度も塗装していませんでした。
粉化した製造時の焼付塗膜を入念に除去すると板金素地が出てきました。
他は以前塗装した際に錆止めの塗装がしてありますが、ここはまだ1度も塗装してないので、錆止めから塗装します。瓦棒部分はハケで塗装します。
平場はローラーで適切な厚みに塗装します。
下塗り(錆止め)塗装完了
塗料が乾燥したことを確認し、付着力確認します。
10㎝幅のテープを貼り付けそれを一気に剥がして塗料の付着力を確認をします。
剥がれなし 付着良好
上塗1回目
下塗り同様に瓦棒部分はハケで塗装します。
平場はローラーで塗装します。
以前に塗装している屋根は錆止め塗装もされてるので、錆が出ている部分に錆止めをタッチアップしました。
過去の塗装と同じ塗料で塗膜の一体化を図ります。
屋根塗装は毎回3回塗りの必要はありません。
しっかりした錆止め層が形成されていれば、1回塗りで耐久性維持が可能です。
屋根塗装完了
築年数50年以上と思われますが、まだまだ長持ちさせられる状態のようです。
ここからは木部です。
塗装されている部分がほとんどですが、経年劣化が激しい状態でした。
表面の塗装が剥がれ、木の表面はガサガサになっていました。
表面を削ってキレイな肌にしていきます。
古材の表面の状態にあった研磨ブラシを選択することがキレイに仕上げるコツと言えます。
研磨が完了した状態です。
建具は外して研磨しました。
キシラデコール塗装 1回目
プロ専用品:キシラデコールHSをカラレスで調合して、2回塗りで美しい木目が出るようにしています。
古材はたっぷり塗装して染み込ませることで長期耐久性を引き出すことが可能です。
キシラデコール塗装 2回目
2回目は美しい木目を引き出すように塗装します。
建具塗装1回目
建具塗装2回目
木部塗装完了 金属部分も塗装しました。
「古材らしさ」を大事にした塗装です。
豪雪地帯に建つこの邸宅は、まだまだ長持ちできそうです。
昔の建築技術には脱帽です。