屋根や壁の塗装メンテナンスで住まいは
キレイで長持ち!
早めの塗装で補修費の軽減が可能です。

板金屋根塗装で一番大事なことは「錆汁対策」です。初めての屋根塗装から計画的に実行しませんか!

屋根塗装とは?

屋根塗装は「樹脂グレード(シリコン、フッ素など)」で比較されます。

しかし、その差は「紫外線に耐久できる期間の差」だけです。

 

板金屋根の場合、重要なことは「防錆」ではないでしょうか?

下写真のように雨水がハゼをジャンプするように流れる屋根は「錆のトラブル」が少ないようです。

 

実際に多い相談は?

毎年、多くの方から「錆汁」の相談を受けます。

「錆汁」はハゼの奥が錆びることで屋根表面に茶色の水が流れた痕跡ができる現象です。

錆汁が一度流れた屋根は元の状態に修復することは困難です。

塗装できない部分まで錆が広がっていることので、塗装後3〜4年程度で錆汁が再発することが多いのです。

 

葺き替え現場のスクラップ屋根材を見れば、いかにひどい錆なのかわかります。

このような状態にならないためには?

最初の屋根塗装から対策を行えば錆汁を防止することができます。

錆汁対策こそ屋根塗装で最も大事な要素です。

 

 

では、錆に強いはずの溶融メッキ鋼板やガルバリウム鋼板がどうしてひどく錆びるのでしょう?

ここからわかりやすく解説していきます。

 

屋根塗装する頃は、築年数10年以上経過しているので「堆積物の膜」がこびりついている状況です。

この状態に屋根塗装するので、塗装のせいでハゼ奥は水キレが悪化します。

2〜3年でハゼ奥の塗装が剥がれて、さらに水キレが悪くなります。

この状態から10数年でハゼ奥が錆びてしまうのです。

屋根塗装をすればするほど水キレが悪化して腐食が進行します。

 

「ちょっと待ってください。高圧洗浄しているのでハゼ奥はキレイになっているはずです。」

と他の塗装屋さんは口を揃えたように言います。

 

そこで弊社は検証を行いました。

45℃の角度(実際の現場ではNG:内側に浸水する角度なので)でハゼ奥を洗浄してみました。

検証の結果、45°の角度でも堆積物の除去はできないことがわかりました。

十数年かけてこびり着いた堆積物はそう簡単に除去できません。

ではなぜ、塗装業者はこの堆積物に気づかないのでしょう?

 

 

 

次の検証をご覧ください。

塗装の品質についての比較検証を行いました。

つまり、屋根塗装を行うには「奥まで確実な作業ができるハゼの形状」にしなければなりません。

 

「ハゼ奥のゴミぐらいで屋根が錆びるのか?」ということですが、

 

ズバリ、「錆びます。」

 

その性質について説明します。

メッキ鋼が2枚重なり、土埃と水が溜る箇所は、通常の10倍のスピードで腐食が進行します。

例えば「雪止めと屋根」の接触部分です。

錆に強いはずのガルバリウム鋼板(溶融メッキ鋼板)が部分的に激しく錆びます。

この特性がハゼにも当てはまるのです。

堆積物があって、塗装によって雨水のキレが悪化したハゼ奥は腐食するスピードが増してしまうのです。

 

もう一つ、腐食に拍車をかける横葺板金屋根の性質があります。

 

ハゼに入った雨水は横方向の低いところへ集まって溢れます。

雨上がりに撮った写真です。

周囲が乾いているのに「錆汁」の部分だけが濡れた状態です。

多くの水が集まっていることがわかりますね。

 

さらに、土埃もこの部分に集められるので局所的に傷む箇所が出来てしまうのです。

 

で・す・が!

「横走りする雨水」の改善にも「ハゼ起こし」が貢献します。

「ハゼ起こし」はハゼに溜まる雨水を少なくできるのです。だから横走りする雨水も減少できます。

 

 

ここまでのまとめ

錆に強いはずのガルバリウム鋼板が錆びる原因。

2枚のメッキ鋼の間に「土埃の堆積」と「水溜まり」ができること。

上記条件では腐食スピードが10倍以上になります。

 

ですが「ハゼ起こし」によって腐食を予防することが可能です。

専用工具でハゼの隙間を均一な幅に広げます。

弊社が特注した「ハゼ専用ブラシ」で奥の堆積物を根こそぎ除去します。

ガルバリウム鋼板素地を傷つけない特殊なナイロンブラシです。

 

ハゼ処理された屋根のハゼです。

奥までしっかり塗装されています。

 

 

「ハゼ起こし」の技術について

弊社スタッフによるハゼ起こし作業です。

端から作業エリアまで均一な幅でまっすぐな隙間が確保されていますね。

 

 

ハゼ処理工法の費用について

ハゼ起こし(整形作業)・堆積物の除去(研磨作業)で600〜800円/㎡かかります。

最近の一般的な住宅で屋根面積120㎡の場合、80,000〜110,000円【税込】になります。

 

 

屋根塗装を3回行って35年程度で葺き替えるケースが多々あるようです。

ハゼ処理工法なら10年ごとの塗装でガルバリウム鋼板の期待耐用年数45年を上回ることが可能です。

 

 

それでは「ハゼ処理工法」を最大に活かす長期的屋根塗装についてアドバイスします。

そろそろお疲れだと思いますが、ここからが一番大事なところです!

 

これから初めて屋根塗装を行う方に向けたものになります。

 

塗装について調べてください。

塗装会社のホームページを見ても似たり寄ったりですよね。

シリコン、フッ素、無機など、樹脂のグレードが色々書いてありますが、いまいちよくわかりません。

 

 

弊社が考える理想の屋根塗装とは

築年数15年で考える屋根塗装の理想を説明します。

 

まずは今まで説明してきたハゼ処理工法で将来的な錆汁対策をします。

 

次に下塗です。

これから先ずっと30年以上、下塗は今回の1回限りにすることができます。

信頼性のある「2液エポキシ錆止め」が理想です。

酸素を遮断する層なので、全面にしっかり塗装が必要です。

 

仕上塗装は2回塗り(中塗・上塗)が理想です。

 

仕上げを2回塗る場合、1液型塗料には大きな落とし穴があります。

湿気硬化型なので反応途中で塗り重ねると軽微な「リフティング=塗膜の縮み」を生じることがあります。

この現象のメカニズムは各塗料メーカーで解明されていません。

 

2液型塗料なら安定した塗装品質が確保できます。

2液型、2回仕上であればシリコンでも十分な耐久性を発揮します。

10年以上は期待できるでしょう。

 

そして10数年後の塗装

ハゼ処理は必要ありません。最初の処理が有効なはずです。

 

 

塗装のダメージですが、ハゼ奥は多少ダメージがあると考えられます。

特に雨水が集まる部分はハゼ処理を行っていてもダメージがあるでしょう。

ダメージのある部分だけを「下塗・中塗」補修します。

 

 

全体の塗装は1回でOKです。この時にグレードアップもできますね。

過去の塗膜がしっかりしていれば、過去の塗膜を「中塗」とみなすことができます。

 

ここで過去の塗装と密着性を出すために「目粗し」という作業が必要です。

古い塗膜に細かい傷をつけて密着性を確保する作業です。

 

塗料によりますが、優秀な2液シリコン塗料であれば10年の耐久性は確保されます。

また10数年後に同じ塗装を繰り返せば良いのです。

 

 

まとめます。

最初の屋根塗装には「ハゼ処理工法」「3回塗り」で費用も嵩みます。

が、10数年後には傷んだ部分のタッチアップと1回塗りのメンテナンスで大丈夫なのです。

その後も1回塗りを繰り返すだけで良いのです。

 

10年毎に3回塗りを行った場合、塗膜が厚くなりすぎての剥離などを起こしやすくなります。

 

 

今回、このページを作った主旨に戻ります。

「ハゼ処理工法」は現在多く発生している錆汁を防ぐことができる工法です。

1回目の塗装では他社より高額になります。

ただし、将来的な塗替え計画を想定した場合、コストを抑えた計画が可能になります。

 

板金屋根塗装をお考えの場合、「樹脂グレード」よりも「防錆」を重視した業者を選びましょう。